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バドミントンデータ解析ブログ

バドミントンについて、しょーもないことも含めてデータ解析で遊びます。主にTwitter(@badiary09)に生息しています。

先に11点取ることには意味がありそうです

以前の記事で、先に11点取ることには意味がなさそうだと書きました。 badiary.hatenablog.com

ただし、解析が随分あっさりしていたので、もう少し詳細に調べてみたところ、先に11点を取ることには意味がありそうだという結果が出ました。

調査方法

まず、過去のスーパーシリーズ全ての試合について、tournamentsoftware.comで以下のように公開されている、スコアの途中経過のデータを入手します。 f:id:tenjin7:20160710182951p:plain

そして、同点の場面で、ラリーに勝った場合と負けた場合のその後の勝率の差を計算してみました。

例えば、10-10の場面で、ラリーに勝った場合(11-10となった場合)と負けた場合(10-11となった場合)の、その後のゲームの取得率を調べます。そして、その取得率の差を見ることで、先に11点取ることの重要性が分かるのではないか、と考えました。(以降、この取得率の差を「重要性」と呼びます。)

評価方法

同点の場面に限っているので、思い切って互いの実力が同じ(=その後の全てのラリーの勝率は五分五分)だと仮定します。 この仮定の下で、先にn点取ることの理論的な重要性を計算できます。 理論的な重要性と実際の重要性を比べて、考察をします。

結果

結果は下記の通りです。

sample_num   : サンプル数。多い程結果の信頼性が高いと思われます
importance   : 実際の重要性(その場面でのラリーの勝敗によるその後のゲーム取得率の差)
importance_T : 理論的な重要性。
diff         : 実際の重要性 - 理論的な重要性。

(diffの絶対値が大きい順にソート)

    scores sample_num importance importance_T          diff
 1:  28-28         29  0.7931034    0.5000000  0.2931034483
 2:  25-25        150  0.4266667    0.5000000 -0.0733333333
 3:  26-26         83  0.4457831    0.5000000 -0.0542168675
 4:    2-2      17214  0.1826420    0.1320606  0.0505814360
 5:    3-3      13878  0.1828794    0.1358338  0.0470456179
 6:  10-10       6918  0.2231859    0.1761971  0.0469888399
 7:    0-0      44284  0.1682775    0.1253707  0.0429067941
 8:    1-1      22968  0.1700627    0.1285853  0.0414773753
 9:    7-7       8566  0.1949568    0.1549810  0.0399757889
10:    8-8       8004  0.1996502    0.1611803  0.0384699171
11:    4-4      11906  0.1770536    0.1399499  0.0371036523
12:  12-12       5982  0.2290204    0.1963806  0.0326397793
13:  11-11       6384  0.2149123    0.1854706  0.0294416996
14:    5-5      10403  0.1717774    0.1444644  0.0273129238
15:    6-6       9480  0.1755274    0.1494460  0.0260814454
16:    9-9       7360  0.1923913    0.1681881  0.0242032093
17:  24-24        277  0.5234657    0.5000000  0.0234657040
18:  14-14       5328  0.2477477    0.2255859  0.0221618102
19:  17-17       4687  0.3330489    0.3125000  0.0205488585
20:  13-13       5597  0.2252993    0.2094727  0.0158266112
21:  16-16       4892  0.2869992    0.2734375  0.0135616823
22:  18-18       4418  0.3870530    0.3750000  0.0120529651
23:  21-21       1989  0.5113122    0.5000000  0.0113122172
24:  27-27         49  0.5102041    0.5000000  0.0102040816
25:  20-20       3907  0.5080625    0.5000000  0.0080624520
26:  22-22       1035  0.5072464    0.5000000  0.0072463768
27:  23-23        522  0.5057471    0.5000000  0.0057471264
28:  15-15       5034  0.2499007    0.2460938  0.0038069254
29:  19-19       4108  0.5004869    0.5000000  0.0004868549
30:  29-29         15  1.0000000    1.0000000  0.

考察

上3つ(28-28, 25-25, 26-26)は、サンプル数が少ないので無視します。

また、全体を通して正の値が多いですが、これは実力が同じという仮定からのずれによるものと思われます。同点の場面からラリーに勝った母集団とラリーに負けた母集団では、前者の方がそもそも(そのラリーに勝つ分だけ)強い選手の視点に立っているからです。

そして、この仮定からのずれは、序盤であるほど大きいと予想されます。これが、序盤であるほどdiffが大きい傾向となっている理由でしょう。

これらを考慮すると、10-10の場面での一点の重要性が6番目に高い結果となっているのは、特別な意味があるように思えます。(10-10が他に比べて「浮いている」ように見えます。)それは、やはり11点でインターバルに入るからではないでしょうか。

まとめ

同点の場面に限ると、特に10-10の場面でラリーに勝つかどうかは、その後のゲーム取得率への影響が大きいようです(3~4%程度?)。リードしつつインターバルを迎えることが、選手にとってプラスに作用するのでしょう。