バドミントンデータ解析ブログ

バドミントンについて、しょーもないことも含めてデータ解析で遊びます。主にTwitter(@badiary09)に生息しています。

ホームだとアウェーより勝率にして10%程度有利のようです

 リオオリンピックで、高橋松友ペアと奥原がメダルを獲得しました(しかも高橋松友は金!)。こうなると、当然東京オリンピックに期待が膨らみます。

 スポーツ全般に渡って、ホームとアウェーではホームが有利と良く言われます。これが正しければ、東京オリンピックはリオオリンピックよりも更に期待度が上がるわけですが、果たして本当なのでしょうか。個人的な話をしますと、私は極度のチキンなので、ホームの方が緊張で勝てないような気がしてしまいます。

 というわけで、調べてみました。

調べ方

 過去のスーパーシリーズのうち、対戦当時の両者の世界ランクが判明している試合(12958試合)を対象とします。

 ホームかアウェーかで勝率に影響があるかを調べたいわけですが、両者の実力差を考慮しないで平均をとっても意味のある結果になるとは思えません。そこで、世界ランクから両者の実力差を大雑把にグループ分けし、グループごとにホームかアウェーかによる勝率の違いを調べてみました。

実力差の定義

 スーパーシリーズはトーナメント方式で行われるため、それに基いて決まる世界ランクは、そのまま扱わずに、log2を取った方が良いと思われます。(1位と2位、20位と21位では、1位と2位の実力差の方が大きいはずです。)

 今回は、両選手の世界ランクをr1, r2としたときに、log2(r2) - log2(r1)の切り捨て値を実力差と定義しました。この値が大きい程、世界ランクr1のプレーヤーの方が強いことになります。

結果

 こちらを御覧ください。

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 横軸が実力差、縦軸が各実力差での勝率を表します。そして、ホームの場合とアウェーの場合、2パターンの折れ線をプロットしました。(ホームとアウェーの折れ線は、互いに点対称となります。)

また、次の図は、上の図に信頼区間95%のエラーバーをつけたものです。エラーバーが入ると見づらいと思ったので、図を分けました。

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 信頼区間を考慮しても、ホームの方が有利と言って良さそうです!こんなにはっきりした結果が出るとは思いませんでした。

 定量的な読み方は色々あると思いますが、ホームかアウェーかで、勝率が10%程度変わりそうです。あるいは、ホームだと自分に対して世界ランクが半分程度の相手と対等に戦えそうです。

結果2 - 日本人に限ってみる

 次に、先ほどのプロットを日本人に限ってみます。二つの図をまとめてどうぞ。

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 日本人に限ると、そもそもサンプル数が少ないためにあまりはっきりしたことは言えなさそうです。点推定の結果を盲信するなら、日本人はホームだと強い選手に勝ちやすい(横軸-5~-1程度参照)が、同時に弱い選手にも負けやすい(横軸2~4程度参照)といった感じでしょうか。

まとめ

 何はともあれ、ホームだと有利のようです!東京オリンピックも安心して見れるかも?