20-20以降はシーソーゲームになりやすいか
陸上の長距離,特にマラソンなんかを見ていると,集団で走ることが多いですね.他者を風除けにしたいからという説明を良く見ますが,人間の心理も関係あるんじゃないかと思います.前の人に着いていくのは精神的に楽,みたいな.
バドミントンで似たような話を考えたいんですが,今回は20-20以降のスコアについて調べてみたいと思います.片方がマッチポイントを握った時に,もう片方がラリーに勝ってスコアを並べる確率を調べれば,シーソーゲームになりやすいかどうかを判定することが出来ます.
帰無仮説:状況によらずラリーの勝率は50%
今回は検定をするわけではないんですが,一応立てる帰無仮説は,どっちがマッチポイントを握っているかに関係なくラリーの勝率は50%であるというものです.つまり,心理状態なんて関係ねえってことですね.
20-20に達している時点で実力は互角としていいと思うので,何も影響がなければ勝率は50%になるでしょう.
使用データ
今回は2007年~2013年のGrand PrixからSuper Seriesまでのうち20-20を通過したゲーム,全5310ゲームです.
帰無仮説が正しければ,22-20の試合が全体の50%,23-21の試合が25%,…というように,勝者のスコアが1増える度に割合が半分になっていくはずです.表現を変えると,p=1/2の幾何分布に従うはず.
結果
最終スコア | ゲーム数 | 割合 |
---|---|---|
22-20 | 2646 | 49.83% |
23-21 | 1242 | 23.39% |
24-22 | 692 | 13.03% |
25-23 | 345 | 6.49% |
26-24 | 174 | 3.27% |
27-25 | 92 | 1.73% |
28-26 | 50 | 0.94% |
29-27 | 35 | 0.66% |
30-28 | 17 | 0.32% |
30-29 | 17 | 0.32% |
…順調に1/2の割合で減っていっている気がします.割合をデータと仮説上の値で比べてプロットしてみましょう.
うわー,すごく綺麗に当てはまっていますね.
分布が幾何分布に従っているかどうかの検定方法が分からないので,図を眺めておしまい.
結論
自分/相手がマッチポイントを握っていることは,次のラリーの勝率に特に影響を与えないようです.
個人個人を調べるととても影響される人,されない人がいるんでしょうが,全体としてはその影響はプラマイゼロになっているということなんでしょう.きっと.